【論文要約】社会性と情動の学習(SEL)の実施と持続に向けてーアンカーポイント植え込みの適用ー
先日記したこちらの投稿。
この中にある「論文のまとめ」を行います。
此度は以下の論文について。
小泉令三 2016「社会性と情動の学習(SEL)の実施と持続に向けてーアンカーポイント植え込みの適用ー」『教育心理学年報 2016 年 55 巻 p. 203-217』
どんなもの?
社会性と情動の学習(以下、SEL)は、「自己の捉え方と他者との関わり方を基礎とした、社会性(対人関係)に関するスキル、態度、価値観を育てる学習」という定義。
そして、その学習においてアンカーポイント(以下、AP)が大事だという話。アンカーポイントとは、「人間とその環境との間の相互交流(すなわち)相互作用によって双方が変化していくこと)を促進するような人間ー環境システム内の要素」のこと。
*社会性:社会的能力をもとにした社会との関係性
*情動:恐怖、驚き、怒り、悲しみのように一過性に生じる急性の感情
例えば、、、以下の画像における「新しい要素」のこと
先行研究と比べてどこがすごい?
それまでのSELでは実施方法(内容, 回数, 時間など) が明確に定められているわけではなく,各学校が実施する際には,提案されたパーツを用いて独自に学習プログラムを構成するような状況が強い。そのため,各学校の実情に合わせやすい反面、継続的に行うことは難しい。そんな中、この研究では1つのその解法としてAPを提唱している。
技術や手法のキモはどこ?
APと言っても、それが正の影響を与えるAPなのか、負の影響を与えるAPなのかという2つに区分している。また、最重要のAPをプライマリーAP、次に重要なAPをセカンダリーAPと置いている。そのように定義をいくつか行うことで、学校の現場でもすぐに適応できるような状態に至らせているという点がとても大きなキモである。
どうやって有効だと検証した?
各種論文をまとめ上げた状態なので、検証はここではしていない
議論はある?
90年代から議論が起きており、今後の教育界の中でも議論ありの様子
次に読むべき論文は?
SEL絡み、だけではなく教育の中身などに入ると自身の方向と少し異なるので、感情に戻る
うーん、ちょっとイメージと違う方向に読んでしまったので、戻ります