感情心理学を学ぶ駆け出し研究者兼マーケターのブログ

大学院と組織開発ベンチャーに属しながら感情心理学を肴にする日々の苦悩と葛藤を綴るブログです。27歳ですが37歳に見られます。

【論文要約】女子大学生の過去および現在の夕食形態とコミュニケーション・スキル,ストレス,孤独感との関連性

 

先日記したこちらの投稿。

この中にある「論文のまとめ」を行います。

courage4u.hatenablog.jp

 

此度は以下の論文について。

 

野津山希 2010「女子大学生の過去および現在の夕食形態とコミュニケーション・スキル,ストレス,孤独感との関連性」『紀要論文(ELS) 』

fukuyama-u.repo.nii.ac.jp

 

 

 

どんなもの?

本研究では女子大学生を対象として、夕食形態とコミュニケーション・スキルやストレス・孤独感との 関連性について、質問紙調査を用いて検討を行っている。その結果、友人との共食回数が多いことは、コミュニケーションスキルの高さやストレス反応、孤独感の低さと関係していることを明らかにしている。


先行研究と比べてどこがすごい?

共食についての研究は、家族との形態においては研究されているものの、友人関係においてはほぼ存在しないらしい。


技術や手法のキモはどこ?

・過去と現在の夕食形態について、それぞれ一週間あたりの夕食回数・夕食人数・夕食中の楽しさ・夕食中の会話について調査を行っている

・コミュニケーションスキルに関しては、山口・飯田・石隅(2004)の同輩とのコミュニケーション・スキル尺度を用いて調査を行った

心理的ストレス反応に関しては、鈴木・嶋田・三浦・片柳・右馬埜・坂野(2001)の心理的ストレス反応尺度 (抑うつ・不安、不機嫌・怒り、無気力の各6項目)18項目を使用した

・孤独感に関しては、諸井(1991)の改訂版UCLA孤独感尺度を使用している


どうやって有効だと検証した?

コミュニケーションスキル尺度、心理的ストレス反応尺度、孤独感尺度を同時にとることで、その計算を可能にした


議論はある?

性別ごと、年齢ごとの違いと、夕食に関してここで取っている以外の数値に関して


次に読むべき論文は?

諸井克英 (1991).改訂 UCLA 孤独感尺度の次元性の検討 静岡大学文学部人文論集,42, 23-51.

鈴木伸一・嶋田洋徳・三浦正江・片柳弘司・右馬埜力也・坂野雄二 (2001).新しい心理的 ストレス反応尺度(SRS-18)の開発と信頼性・妥当性の検討 行動医学研究,4, 22-29.