【論文要約】女子大学生の過去および現在の夕食形態とコミュニケーション・スキル,ストレス,孤独感との関連性
先日記したこちらの投稿。
この中にある「論文のまとめ」を行います。
此度は以下の論文について。
野津山希 2010「女子大学生の過去および現在の夕食形態とコミュニケーション・スキル,ストレス,孤独感との関連性」『紀要論文(ELS) 』
どんなもの?
本研究では女子大学生を対象として、夕食形態とコミュニケーション・スキルやストレス・孤独感との 関連性について、質問紙調査を用いて検討を行っている。その結果、友人との共食回数が多いことは、コミュニケーションスキルの高さやストレス反応、孤独感の低さと関係していることを明らかにしている。
先行研究と比べてどこがすごい?
共食についての研究は、家族との形態においては研究されているものの、友人関係においてはほぼ存在しないらしい。
技術や手法のキモはどこ?
・過去と現在の夕食形態について、それぞれ一週間あたりの夕食回数・夕食人数・夕食中の楽しさ・夕食中の会話について調査を行っている
・コミュニケーションスキルに関しては、山口・飯田・石隅(2004)の同輩とのコミュニケーション・スキル尺度を用いて調査を行った
・心理的ストレス反応に関しては、鈴木・嶋田・三浦・片柳・右馬埜・坂野(2001)の心理的ストレス反応尺度 (抑うつ・不安、不機嫌・怒り、無気力の各6項目)18項目を使用した
・孤独感に関しては、諸井(1991)の改訂版UCLA孤独感尺度を使用している
どうやって有効だと検証した?
コミュニケーションスキル尺度、心理的ストレス反応尺度、孤独感尺度を同時にとることで、その計算を可能にした
議論はある?
性別ごと、年齢ごとの違いと、夕食に関してここで取っている以外の数値に関して
次に読むべき論文は?
諸井克英 (1991).改訂 UCLA 孤独感尺度の次元性の検討 静岡大学文学部人文論集,42, 23-51.
鈴木伸一・嶋田洋徳・三浦正江・片柳弘司・右馬埜力也・坂野雄二 (2001).新しい心理的 ストレス反応尺度(SRS-18)の開発と信頼性・妥当性の検討 行動医学研究,4, 22-29.