有名な『自分を変革するために必要な3つの方法』は、”強靭な心”を持たねば有効性に欠ける。
「『○○をしたら、毎回自分自身に大きな変化がやってくる!』って認識してるものはある?
それが分かってれば意図的に自分に変化を生めると思うんだよね。ちなみに私の場合、海外に行って帰ってくると毎回自分の中ですごい変化があるの。」
そんなことを、今日の朝とある人に言われました。
あなたなら、なんて答えるでしょう。
「『○○をしたら、毎回自分自身に大きな変化がやってくる!』って認識してるものはありますか?」
自分に変化を与える要素として、元マッキンゼー日本支社・社長の大前研一氏は、こんなことをおっしゃっていますね。有名な内容かもしれません。
人間が変わる方法は3つしかない。
1つ目は時間配分を変えること。2つ目は住む場所を変えること。3つ目は付き合う人を変えること。この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは『決意を新たにする』ことだ。
特に年末に差し掛かるこの時期、この一年を振り返ったり、来年をどんな一年にしようか、どんな風な自分に変わろうかなど考えたりする方も多いのではないでしょうか。
でもこの大前氏の言葉をそのまま捉えるのならば、その振り返りや考えたことを元に、自分の時間配分や住む場所や付き合う人を変えるという行動に出ないと、ただの決意として終了してしまい、何も変わらないということになります。
(これに陥るケースってかなり多そうで、なんだか怖いですよね、、、)
でも正直、これって全員が創り出せる変化なのでしょうか。
自分の変化を目的として、意識して『時間配分を変える』『住む場所を変える』『付き合う人間を変える』ことができる人って、結構ごく一部の人だけに限られませんか?本当に自分を律して行動できる人、”強靭な心”を持つ人だけではないでしょうか。
人にとって、変化とはストレスですから。
冒頭の質問に戻りましょう。
「『○○をしたら、毎回自分自身に大きな変化がやってくる!』って認識してるものはありますか?」
こう聞かれた私は、唸りました。この質問をされた瞬間に大前氏の言葉を思い出しつつも、とくに最近そんなことできてるのかなあ、、、と。
そこでふと思いついた私の回答は、『映画』でした。
経産省が出している報告書で『映画産業ビジネスモデル研究会報告書』というものがあります。
こちら、80ページほどに渡り映画産業の歴史を刻々と記している、(読むのにも根気がいるような)超大作な報告書なのですが、この冒頭には『映画』についてこんなことが書かれています。
1. はじめに
映画には、人と時代を動かす大きな力がある。日常生活の中で忘れかけていた何かを思い出させ、社会の中に潜む課題を表に出してみせることで、人々の生活を浄化し活性化させてくれる強い力を持つ。特に、映画館という空間は、人を日常生活から隔離し、共感したいと思う人に共感させたいと思う作品をぶつける場として、特別な意味づけを持っている。
映画産業ビジネスモデル研究会報告書/平成 21 年7月経済産業省
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/movie.pdf
この冒頭文からひたすらに『映画』産業の衰退について記し始めているのですが、、、それは置いておいて、
それでも私はこの冒頭文、特に『日常生活の中で忘れかけていた何かを思い出させ、社会の中に潜む課題を表に出してみせる、、、』というところが「まさしく!」という感じだなと思っています。
『映画』というと単に娯楽なのかもしれませんが、私は結構娯楽というより自分の行動の指針を作り、そして原動力にしています。
これは個人的な癖なのですが、映画を見るとその人物に憑依(?笑)してしまう癖があり、その登場人物たちが経験する様々なことを追体験する、そんな思考を脳内でひたすらグルグル回すということが起きているのです。
その時に考えたことを自分の仕事の中でに取り入れたり、勉強するコンテンツの1つとして組み込んだりしています。
そこに私は、特に”強靭な心”を発動させていません。(多分、私のはガラスのハートですし”強靭さ”には欠けます)
単に、自分が好きなものを徹底して楽しんでいる、、、それだけです。
それが自分の意思決定に多大な影響を与えていたり、そもそも『時間配分を変える』『住む場所を変える』『付き合う人を変える』きっかけになっています。
「『○○をしたら、毎回自分自身に大きな変化がやってくる!』って認識してるものはありますか?」
実際、これを聞かれたらどう答えますか。
個人的には、こう思います。”強靭な心”を駆使して自らの変化を創ろうとするより、自分の好きなものを通して多大なるきっかけをもらったほうが、よっぽど現実味のある変化が生めそうではないでしょうか。