【働きながら大学院に通うあなたに】時間と労力の無駄なく英語論文を読むための方法まとめ。
働きながら大学院に通う。それだけで世間からは、
「大変じゃないの?」
「すごいね」
「時間なくなりそう」
「勉強好きなんだね」
「お金高そう」
そんなことを言われます。
私も今、働きながら大学院に通っている身ですのでそんなことをよく言われるわけですが
確かに大変だけれども、通っていようが通っていまいがみんな忙しくしているだろうし、勉強はゆうて嫌いだし(自分に関しては)、お金は教育ローンとか諸々で借金すればなんとかなる。
ただ、まあ確かに時間はないわけです。
働きながら大学院に通って「時間余裕です」と言っている人には会ったことがないので、ある程度全員に共通することのはず。
で、大学院に修士として入ったからにはその主たる任務は「論文」を書くことでして。いわゆる修論。
ただ、入学してから理解したのですが、そりゃもう「論文」に取り掛かる時間は結構ない。
大学までじゃなくとも授業だってあるし単位は取らないと卒業できないし、そもそも日常のメインは仕事なのでその隙間でどうにかこうにか大学院のことをやってると、「論文」を書くに至るのがとても難しい。
*ただ、家にパートナーやお子さんがいて通う方々は、私なんかと比べると格段にきつさが高くなると思います。同期にもそんな方が大勢いて、本当に尊敬します。どうやって全部成立させるんだろう、、、ほんとどうやってるんですかね?
さて、「論文」を書くにあたり、よく言われること。
それは、過去の「論文」をめちゃめちゃ読み込むというもの。私の指導教授は「100本いち早く読め」といつも言っているのですが、これまたなかなか難題なのは、こんな事柄。
- 自分のメインテーマを絞らないと読む論文の幅が広がりすぎる
- 1本読むとしてもかなり長い
- 小難しい言葉が多い
- 世界最先端の論文を読もうと思うと、基本的に全部英語
私もここ数ヶ月読もう読もうとしながらもちょびちょびとしか進まず、なかなか思い悩んでいました。
「この読み方、生産性低すぎやしないか?」と。
そこで、論文を読みかつ自分にインプットしきることをかなりの高速で行えるようにするというのをこの年始のタイミングで行えるようにしておかないと今後、リアルに『死あるのみ、、、!』と思い調べていたのです。
すると、なんともたくさん出てくる出てくる方法の数々。
そりゃ、今までの論文読む人たちが全員通ってきている道ですので当然かと思いますが、調べ進めるとある程度みなさん仰ることがパターン化されているので、これはもはや一旦従ったほうがと思い、自分の備忘録的にこちらの記事に記そうと思います。
大きくは、この5つである程度完璧です。
多くの方の知見をまとめて要約して、1つ1つ簡単に書いていきますね。
1. 原著論文を読もう
原著論文とは、「オリジナルの研究を行い、詳細に報告する。特定の研究課題に対する独自のアプローチを示す」とされています。
こちらの記事の中にあるように、レビュー論文と比較すると分かりやすいですね。
以下の対照表もとても理解しやすいかなと。
ちなみに、調べれば調べるほど落合陽一さん(メディアアーティスト、 筑波大学 学長補佐 助教デジタルネイチャー研究室主宰)の記事が出てくるのですが、彼は原著論文についてこう語ります。
原著論文は価値がありますね。だって常に世界で最先端ですから。世界で新しいもの以外は原著論文として公開されないので、新しい原著論文から100本読んでいくって言うのは大切なアプローチだと思います。
2. 論文の流れと読む順番を理解しよう
さて、論文を読むにあたり、大事だと多くの方がいろんな記事でおっしゃっているのが論文の流れを把握することと、読む順番を理解するというもの。
これも落合さんが仰るものが一番分かりやすいので、そのまま記述させてもらいます。
■論文の基本的な流れ
①導入(背景・問題提起)
⬇︎
②関連研究(他との違い)
⬇︎
③調査・分析(具体例など)
⬇︎
④仮説証明(主張の証明)
⬇︎
⑤議論(良さ悪さ)
⬇︎
⑥結論(何をしたか・詳細)
■読むにおすすめな順番
①導入(背景・問題提起)
⬇︎
②結論(何をしたか・詳細)
⬇︎
③仮説証明(主張の証明)
⬇︎
④関連研究(他との違い)
いくつか論文を読んでいるとなんとなく理解し始めますが、頭からずっと読むのはなかなか骨が折れるもの。
それをこのように読むだけで随分と早くなります。
よくよく考えると、大学受験の際に現代文の読み方とかで習うようなものと同じ流れかもしれませんね。
小説大好き人間からするとこのような読み方をするのが結構嫌だったりするのですが、これは論文。我慢して読めということですね。
↓ちなみにこの流れはこちらから拝借。
【落合陽一流】500倍のスピードでインプットする論文の読み方 | IDEA COLLAGE
3. 英語の翻訳はGoogle翻訳で十分
論文、特に原著論文は英語で書かれているものが大半です。
日本語で書かれた論文は、日本人の中でも日本国内で論文発表されたものだけですからね。論文のほぼ全ては英語なわけです。
で、英語の文章というだけで拒否反応を示す人は多いはず。かくいう私も、ほぼ無理です。
ただ、これも様々な記事に載っていましたが翻訳はGoogle翻訳で十分とのこと。
数年前は全然使い物になりませんでしたが、実際に今のGoogle翻訳ってすごいですよ。以前、私が書いたブログを全部Google翻訳にかけてイギリス人の友人に見てもらったことがあるのですが、伝えるに何も問題ないと言っていました。Googleさまさまですねほんと、、、
ということで、言語問題もある程度大丈夫と。
もちろん、無理なケースもあるので、その際は別途単語ベースでやるのが良いですね。
*ちなみに、スマホで画像認識させて、写している画面上で翻訳するという機能があるのですが、それは感動しますよほんと。
4. 読んだ後は簡潔にまとめよう
読んだ後にはちゃんとまとめること。そう落合さんも言っています。
落合さんのおかげで、世の中の学生たちは随分と救われているように思うんですよね、、、
論文まとめはこの辺を読むといいよ.
— 落合陽一 (@ochyai) March 21, 2017
「高速で論文がバリバリ読める落合先生のフォーマットがいい感じだったのでメモ」 https://t.co/CWsSX3r8wf #スマホで朝生
このフォーマット、何が書いてあるかというと、以下の6点をそれぞれの論文を読んだ後に残しておくと良いというもの。
- どんなもの?
- 先行研究と比べてどこがすごい?
- 技術や手法のキモはどこ?
- どうやって有効だと検証した?
- 議論はある?
- 次に読むべき論文は?
これを残すということは、これに残すことを念頭に論文を読むということですね。
先ほどの読む順番の最中、分かったらすぐに記述していくのが良さそうです。
ちなみに、私もこれに従って書いてみたのですが、読むのが随分と早くなりますし、記憶に残ります。
そして、これが積み重なると自分だけの地図ができるという、なんとも素晴らしいもの。
これ、100論文くらいやるだけでも相当知識になるとともに、自分の領域が明確になりそうですね、、、
5. 読んだ論文とまとめを一覧にしておこう
さて、これが最後。
1〜4までを重要視しながら論文を読んでも、その情報がまとまっていないと後から振り返ることができないというもの。
もちろん1度読んで終わる論文もあるでしょうが、大切なものであればあるほど改めて読み直したりするはず。
そこでこれは私がやり始めたやり方ですが、個人的にやりやすいので書いてみますね。
- 基本的にはDropBoxで管理
- 「paper」階層の下に「paper/overview」と「paper/detail」を構成して、「paper/overview」には4でまとめたデータを格納、「paper/detail」には論文そのものを格納
- データ名は、「論文タイトル 著者 書いた時期」とする
- 「paper/detail」に格納されている論文を見るのは全てMendeleyで
ちなみに、Mendeleyは論文を管理するツールなのですが、これの上で論文の色つけなどしやすいので使っています。(PCのローカルから参照しているだけなので、本体にPDFファイルがないと表示できないのでDropBoxに入れるの必要)
なお、Mendeleyはこんな感じです。
いかがでしたか?
多くの方の知見をかなり要約して書いてみましたが、実際にはご自身でやってみないと分からないはず。
私も自分でやり始めてようやくなんとなく分かり、続けてどんどん習熟してスピードアップしてきました。
ぜひ、お試しいただければ幸いです。