【論文要約】“ハッピーワークショップ”の幸福度向上効果
先日記したこちらの投稿。
この中にある「論文のまとめ」を行います。
此度は以下の論文について。
前野 マドカ, 前野 隆司, 櫻本 真理 2017「“ハッピーワークショップ”の幸福度向上効果」『支援対話研究 2017 年 4 巻 p. 3-16』
なおこちら、私の指導教授が執筆に関わっている論文です。
どんなもの?
幸福度向上のためのグループ学習プログラム”ハッピーワークショップ”を開発。その結果幸福度向上効果および笑顔共起率の上昇効果を確認できたとのこと。その有効性について論じている。
先行研究と比べてどこがすごい?
世界を見ると「positive psychology」「well-being study」など”心の豊かさ”に関わる研究が多くされており、提唱されている理論も多く存在する(*)。だが、それらの研究では幸福度向上要因の根拠が明らかにされていないのとともに、欧米で開発されたものがゆえに日本などの東アジアにはなじまない可能性がある。そんな中、この研究では実際に幸福度を向上させる”行動”まで落とし込んでおり、人々の幸福度をワークショップ前後で向上させることに成功している点がすごい
技術や手法のキモはどこ?
筆者による幸せの4つの因子の研究結果と、ワークショップ手法。
どうやって有効だと検証した?
ワークショップが有効に機能するか否かを、実際にワークショップを12回実施し、その前後の人生満足尺度(a)、感情的幸福(b)、幸せの4つの因子(c)に関するアンケートを用いて検証した。
(a)Dienerによる人生満足尺度
(b)感情的幸福(ポジティブ感情、ネガティブ感情)
(c)筆者らが開発した幸福指標である幸せの4つの因子
議論はある?
本文でも述べられているが、その幸福度の長期的持続性に対する問題提起と、 ファシリテーターによって影響度合いに相違があるという2点が議論ポイント。
次に読むべき論文は?
本文にも記載されていた、
- SeligmanのPERMA(Positive Emotions, Engagement, Relationship, Meaning, Achievement)
- BoniwellのSPARK Resilience Program
こういう論文の要約をガシガシやっていく所存です