感情心理学を学ぶ駆け出し研究者兼マーケターのブログ

大学院と組織開発ベンチャーに属しながら感情心理学を肴にする日々の苦悩と葛藤を綴るブログです。27歳ですが37歳に見られます。

小学6年生に自分の仕事を説明し質問を受ける機会を、どんなオトナも一度は持った方が良いと思う理由。

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先日、こちらの小学校の6年生150人に向けて、授業をする機会がありました。(本業は関係ないです)

絵本作家さんやイスラエルで会社をやられている方、大手企業で事業責任者をしている方など数名のオトナで、それぞれお仕事内容と考えを伝えるというもの。

 

今回はそこで得た感覚と、他では味わえない刺激について。

 

 

『人生にはいろんな選択肢があることを、知ってほしい』

担任の先生たちの「子供達にいろんな選択肢を見せてあげたい」というお気持ちから始まったらしいこちらの授業。

今回は、来月には卒業してもうすぐ中学生になる子達向け。とはいえ、ご両親はほぼ全てが企業勤めの方ばかりの地域らしく、ご両親以外の働き方は想像しにくいし、サービス業以外の業種の仕事も想像がしにくい。

基本的に、小学生だと仕方がないとも思うのです。自分が12歳の時を考えても、仕事についてどれだけ認識できていたかというとかなり怪しいですし。

 

でも、すごいですよね。先生達の想いは強く、「いろんな生き方を考えられる子になって欲しい」というそのお気持ちは、本当に素敵だなと。

 

ただそうなると、オトナ向けにも伝えるのが比較的困難な私、そして私の会社のことを、どのように子供達に伝えるのが良いか、、、すごく悩みました。

 

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子供たちの質問は、一瞬立ち止まってしまうくらい本質的

実際やってみて分かったのですが、子供達の反応は本当にすごいんですよ。

みんな、とてもとても真剣。先生たちもとても驚いていましたが、彼ら彼女らとしてもここまで普段会わないオトナと会うというのは珍しいので緊張していたのかもしれません。でも、感じたのは緊張よりもむしろ、その好奇心。以下に、してくれた質問をいくつか記載してみます。

 

「勇気さんは、人と話す時にどんなことを心がけていますか?」

「勇気さんが誰かを好きになるときに大事なことってなんですか?」

「働くのって大変だって、お父さんがいつも言ってます。仕事って絶対に大変なんですか?」

「勇気さんは今までどれくらい彼女がいて、どれくらい好きだったんですか?」

「お仕事をしている中で、一番楽しいのってどんなことしていたときですか?」

「オトナになっても友達ってできるんですか?」

「勇気さんが一番辛い時っていつですか?」

 

すごく真面目に、真剣にうなづきながら、純粋な目でこちらを見ながらこんな質問をしてくれるんですよ。

もう、最高に楽しいじゃないですか。笑

 

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小学生に「仕事」を伝えるのは、難しい

今の仕事を小学生に伝えようとすると、どう説明するか
今回悩んだのは、ここ。

よく言うじゃないですか。人に説明するときは、小学生に伝えられるくらい簡単にして、、、というやつ。

今回、まさにそれなわけです。

 

だがしかし。

私が日々うにうにしているのは、オトナですら分かりにくい「組織開発」というジャンル。先生たちも「組織開発ってなんでしょう?」「ベンチャー企業ってなんでしょう?」というくらいなので、6年生が分かるはずもないわけです。

(普段、いかに狭い世界で生きているかを実感しますよね)

 

で、僕が取った手法は動画のようなプレゼン資料にして、流れてかっこいい感を出す見た目にしつつ、分かりやすく丁寧に伝えるというものでした。(本当はその資料をこちらに貼れれば良いのですが、ちょっと外出ししない方が良いものもあるので割愛)

 

流れとしては、こう。

1:「はたらく」ってなんだろう?どんなイメージ?

2:みんなの周りで「はたらくオトナ」って、お父さんお母さんと先生くらいだよね。見ていて、どう思う? ※大変そう、お金を稼ぐため、眠そう、疲れている、労働者、というような回答

3:そんなお父さんお母さんとか先生たちみたいに働いている人が「楽しく」働けるようにするお手伝いを、僕はしています

4:物事は一側面から見えるものだけではなく、他の側面からは違うものが見えるかもしれないんだ(うさぎとかもの有名な図、牛の白黒画像を見せながら)

5:いろんな見え方がするだけじゃなくて、集中すると見えなくなってしまうこともあるし、気づけないこともあるよね(ハーバードの「錯覚の科学」)

6:みんなが頑張ってるときに、いろんなことを教えてくれたり気づかせてくれる人ってどんな人だろう?そう、スポーツをやっている人ならコーチとかね、あとは、先生もそうだね。

7:そう考えると、オトナにもそういう、教えてくれたり気づかせてくれる人って必要そうじゃないかな?

8:僕がやっているのは、オトナ1人1人に、そういう教えてくれたり気づかせてくれる人を担当してもらう、というものなんだ

9:それを、2人が電話で毎週30分ずつお話できるようにしててね。そうすることで、サッカーならゴールを決められるように、勉強なら成績をあげられるように、オトナも成績があげらるようにしたり、楽しくなってもらえるようにしているんだ。

10:今僕はこんなお話をしているけれど、僕にもみんなと同じくらいの歳の時があって。でもその時はこんな仕事をしているなんて思ってなかったんだ。だから、どんな仕事を自分でするのかを考えるのはみんなも難しいかもしれない

11:だからこそ、今とても大切だと僕が思うのは、「友達を大事にすること」「人に感謝すること」「好きなことを好きでい続けること」。(映画スタンドバイミーのいくつかの言葉を引用)

12:最後に、今はわからなくてもいいのだけれど、僕が好きな言葉のことを話します。いつか、これで助かることがあるかもしれないから。ぜひこれを読んでみてね。(映画LIFEで登場する社訓の話)

 

これ、やってみてすごくよかったんです。

だって、ここまで噛み砕いて考えて伝えようとすることなんてほぼありません。でも、噛み砕こうとすると、自分が伝えたい核心にどんどん近づいていきます。むしろ、これでオトナたちにかなり凄まじい学びがあるんじゃないのかなって思うんです。

 

すぐに小学生に伝えられる人って、そこまで多くはないのかなと。

ぜひみなさんも試しに作ってみてください。普段どれだけオトナの世界にまみれた言葉と感覚で生活しているのかがわかります。

 

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うさぎと、かも

 

 

〜余談〜

14年ぶりの給食はとても懐かしく、そして美味しい!

あと、小6たちの食に対する貪欲さはすごい。笑

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